青山白雲 10.12.04河津町河津城山181m→片瀬山169m 
土曜、快晴
<コース>伊東駅→河津駅→河津川遊歩道→新町の大ソテツ→来宮神社の大クス→河津城山→片瀬山→今井浜→今井浜海岸駅
城山
 
   ↓片瀬山
片瀬山  伊東駅で名物とか言う稲荷と海苔巻きの弁当を買い、10:03発の下田行きに乗る。もっと早くの筈だったが、時刻表の季節運転のを見誤りこんなに遅くなり、後の失敗の元となる。そんな訳で急行の待ち合わせなどもあり、河津駅には11:05に着いた。

 線路沿いに下田方面に行くと、河津川の土手に突き当たり、ガードを潜った所にあるトイレから川の左岸沿いの遊歩道に入る。東に見える山頂に2本中継アンテナを立てたのは片瀬山らしい。山頂から海へ掛けて見られる常緑樹は、ウバメガシだろう。

   ↓河津川より登尾
河津川より登尾  川の対岸南に聳えるのは天領山349.6mで、国道より廃墟の別荘地への道で行けるとか。川の奥はるかに見えるのは登尾1056.6mだろうか。遊歩道には所々トイレや足湯があり、河津桜の咲く季節は、観光バスが大挙して大混雑の様相となる。

 桜並木と人家の間は大根などが栽培されていたが、桜シーズンには菜の花畑となり、良いカラーの道となる。3本目の赤い橋を渡り右岸少しで、「町営踊り子会館」という温泉施設があり、その一角に「新町の大ソテツ」はあった。

   ↓新町の大ソテツ
新町の大ソテツ  国の天然記念物で、直上部の主幹は径2.5m、高さ10mで数本の支幹に別れ、樹齢800年以上という。日本花の会の探訪記によると、土壌が悪く樹勢を心配していた。確かにそう言われれば元気無いかなと思った。蘇鉄というだけに鉄分を充分補給したらともあった。

 ここの所有者である正木家は家康の側室お万の方の実家で、彼女の生まれた時はすでに見事な枝振りだったそうな。戻って河津中学先左折少しで来宮神社入口がある。正式には杉桙別命(スギホコワケノミコト)神社と言う。

   ↓来宮神社
来宮神社  酒好きだった命が酔って火事を出したが、小鳥達が大挙して河津川の水で羽を浸し、時雨のように降り注ぎ消した。以来命は酒を止めたとか。地元では12月18日より6日の間、鳥、卵、酒を断つ風習がある。

 ところで肝心の、国指定天然記念物の樹齢1000年の大楠を、見損なうと言う失敗をやってしまった。この時点で12:00となり、早く山へとあせった訳でもないが、入口の鳥居脇の巨木をそれと思い撮り、帰って調べたら、本命は本堂脇にあったらしい。

   ↓今井浜と大島
今井浜と大島  この辺一帯は観光バス用の大駐車場があり、桜の時期には物凄い事になっているが、当時来た時河津桜の原木があったのだが、バスでさっと通過してしまった。

 見に行こうかと思い近所の女性に聞いてみたが600m戻りだとのこと。それであきらめたが、1軒置きにある「かじやの桜」という名木を教えていただきこれを撮る。どっちみち花時ではないので。またどうぞお出でくださいと親切だった。

 車道を左へ左へと山際に取ると、伊豆急ガード手前に城山登山口はあった。人家数軒で山道になり、やがて分岐には城山の解説版があり、この先荒れた竹林を登って行く。展望台となる東屋があり、南に聳える片瀬山は平野からとまるで違い、海をバックに尖がって見えた。

   ↓片瀬山
片瀬山  一登りで12:40山頂へ、河津川一望だ。一帯は折から資材や工具が散在し何かの工事中だった。ベンチでは工事の人が気持ちよさそうに昼寝中だったので、東屋に戻り食事にする。駅で買った稲荷と海苔巻きだが、味が濃く特に海苔巻きのしつこいのには参る。お腹が空いていて全部食べたが、これが伊東名物とは恥ずかしい。

 ノアザミ、ノコンギク、ツワブキの花々そしてフユイチゴの実を見る。分岐に戻り先直ぐに文政7年(1824年)の3体の石仏があった。片瀬山への立派な道標があるが、急な山道には両脇擬木の柵に鎖の道で入口は塞がれていた。

   ↓イソギク
イソギク  乗り越えて登って行くが、この両脇の立派さに比べ、下の階段は木製が腐ったりしてぐちゃぐちゃと言うアンバランスで下山まで終始する。13:30NHKのアンテナ2基が建つ片瀬山々頂へ、展望は無い。

 コウヤボウキの花を見る。丸こい葉の木が多く、帰って調べたらこれがウバメガシの群落だった。潮風に強く暖地の海岸沿いに多く、あの備長炭の原料になると。

 やがて潮騒が聞こえ出し、海に近い山の良さを思ったのも束の間、ガイドなどにある立派な展望台は無く、崩れたか撤去したか。

   ↓大島
大島  この先道の状態はだんだん悪くなり、遂に柵が倒れたり足元も危うくなり、薮掻き分けて海岸遊歩道に飛び出すと、そこの案内板には通行止めの張り紙があった。こんな訳で片瀬山は当分危険で反対側からの往復が良かろう。

 これより大島正面に他の伊豆諸島も霞む中、今井浜に下りて数人のサーファーのみの砂浜歩きを楽しむ。イソギク、アゼトウナも黄色く咲いており、シーサイドハウスや今井浜東急リゾートに泊まったら良い眺めだろう。今井浜海岸駅より帰る。

 

<コースタイム>伊東駅<1:00>河津駅<:30>新町の大ソテツ<:30>来宮神社の大クス<:10>登山口<:20>展望台<:10>河津城山々頂<:05>展望台<:30>片瀬山<:25>遊歩道<:25>今井浜海岸駅 歩行2:00 休止:25 
<歩いた距離>山道2km 車道5km 計7km
<使用地図>地理院2.5万 湯ヶ野/稲取 昭文社8万 伊豆
<掛かった費用>伊東〜河津(今井浜も同じ)1340円×2 駅弁620円
<参照>08.02.25

 河津川桜連なる彼方には高く聳えし登尾の山

 枝曲がり太くくねりて蘇鉄ありお万の方の時よりもなほ

 姥目樫海の斜面に繁りおり潮騒聞こえ坂下りたり

 今井浜大島見えし波際を我歩み行く山路を終えて       10.12.04  

 

前へ  上へ  次へ  目次へ   青山白雲  リンクへ

inserted by FC2 system