線路沿いに下田方面に行くと、河津川の土手に突き当たり、ガードを潜った所にあるトイレから川の左岸沿いの遊歩道に入る。東に見える山頂に2本中継アンテナを立てたのは片瀬山らしい。山頂から海へ掛けて見られる常緑樹は、ウバメガシだろう。
桜並木と人家の間は大根などが栽培されていたが、桜シーズンには菜の花畑となり、良いカラーの道となる。3本目の赤い橋を渡り右岸少しで、「町営踊り子会館」という温泉施設があり、その一角に「新町の大ソテツ」はあった。
ここの所有者である正木家は家康の側室お万の方の実家で、彼女の生まれた時はすでに見事な枝振りだったそうな。戻って河津中学先左折少しで来宮神社入口がある。正式には杉桙別命(スギホコワケノミコト)神社と言う。
ところで肝心の、国指定天然記念物の樹齢1000年の大楠を、見損なうと言う失敗をやってしまった。この時点で12:00となり、早く山へとあせった訳でもないが、入口の鳥居脇の巨木をそれと思い撮り、帰って調べたら、本命は本堂脇にあったらしい。
見に行こうかと思い近所の女性に聞いてみたが600m戻りだとのこと。それであきらめたが、1軒置きにある「かじやの桜」という名木を教えていただきこれを撮る。どっちみち花時ではないので。またどうぞお出でくださいと親切だった。
車道を左へ左へと山際に取ると、伊豆急ガード手前に城山登山口はあった。人家数軒で山道になり、やがて分岐には城山の解説版があり、この先荒れた竹林を登って行く。展望台となる東屋があり、南に聳える片瀬山は平野からとまるで違い、海をバックに尖がって見えた。
ノアザミ、ノコンギク、ツワブキの花々そしてフユイチゴの実を見る。分岐に戻り先直ぐに文政7年(1824年)の3体の石仏があった。片瀬山への立派な道標があるが、急な山道には両脇擬木の柵に鎖の道で入口は塞がれていた。
コウヤボウキの花を見る。丸こい葉の木が多く、帰って調べたらこれがウバメガシの群落だった。潮風に強く暖地の海岸沿いに多く、あの備長炭の原料になると。
やがて潮騒が聞こえ出し、海に近い山の良さを思ったのも束の間、ガイドなどにある立派な展望台は無く、崩れたか撤去したか。
これより大島正面に他の伊豆諸島も霞む中、今井浜に下りて数人のサーファーのみの砂浜歩きを楽しむ。イソギク、アゼトウナも黄色く咲いており、シーサイドハウスや今井浜東急リゾートに泊まったら良い眺めだろう。今井浜海岸駅より帰る。
<コースタイム>伊東駅<1:00>河津駅<:30>新町の大ソテツ<:30>来宮神社の大クス<:10>登山口<:20>展望台<:10>河津城山々頂<:05>展望台<:30>片瀬山<:25>遊歩道<:25>今井浜海岸駅 歩行2:00 休止:25 <歩いた距離>山道2km 車道5km 計7km <使用地図>地理院2.5万 湯ヶ野/稲取 昭文社8万 伊豆 <掛かった費用>伊東〜河津(今井浜も同じ)1340円×2 駅弁620円 <参照>08.02.25
河津川桜連なる彼方には高く聳えし登尾の山
枝曲がり太くくねりて蘇鉄ありお万の方の時よりもなほ
姥目樫海の斜面に繁りおり潮騒聞こえ坂下りたり
今井浜大島見えし波際を我歩み行く山路を終えて 10.12.04
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