青山白雲 
13.03.26伊東市宇佐美宇佐美の黒松とホルトノキ
火曜、晴
  <コース>宇佐美駅→黒松→比波預天神→宇佐美駅 黒松

 全国に長い星霜を経た巨樹があり、立派な本も出され、これらを巡る人々も多く、植物愛好家たる自分も、努めて近くのこれらの樹々を探訪したいと思っている。

 伊東、熱海の女性有志で作る"あい懇話会"でこのほど「伊東と熱海の名木物語」を出した。(羽衣出版発行、伊東と熱海の書店で販売)。

 この地の古木について紹介され、逸話もあり70ページの小冊子だが、内容は濃く、これを参考に歩いてみよう。

 今回はまず宇佐美から。宇佐美駅より東へ向かうと、海岸沿いに走る国道135号線バイパスと旧道の間に「大境一里塚の松」という樹齢約400年のクロマツがある。

   ↓大境一里塚の松
大境一里塚の松  この辺下田から江戸への東浦路と、亀石峠の分岐点だったらしく、目印になっていたと伝えられている。初津(はづ)と留田(とまた)の郷境でもありこの名とも。

 海岸地方にはクロマツが多く、バイパスが出来るまでは磯遊びに良く、マツも沢山あったが今は殆ど見られず、横磯、大松、岩松と地名に残るのみ。

 このマツもバイパス造成時伐られようとしたのを、地元の反対で根元から2、5m  埋められたが、生き残ったそうだ。

   ↓比波預天神社のホルトノキ
比波預天神社のホルトノキ  バイパスを北上すると直ぐ終わり、狭くなって山へと登るが、右カーブ手前左に三本の道が分かれており、その一番北に入ると直ぐ急な細道が登っている。

 突き当たりが比波預(ひはよ)天神社で、平安時代からの式内社という、小さいながら格式の高い神社がある。

 境内左にあるホルトノキ:別名、茂樫(もがし)。県の天然記念物で、幹周り6.9m、樹高24m。(現地の看板では18mとなっていた)幹周りでは日本一とか。下部に空洞があった。

 ホルトノキは巨木の上位10位以内の半数以上が県内、特に伊豆半島に多いそう。同じ宇佐美の熊野神社にも大きなのがある。八幡神社のは短く主幹位で穴を塞ぐセメンが痛々しい。

 ホルトノキは南関東沿岸、千葉県以西の本州から台湾、中国南部、インドシナに分布、常緑樹だが、いつも緑葉のなかに紅葉した古葉を混じえているので、神聖視され神社境内に大木が多い。

   ↓洞
洞 <歩いた距離>車道1.5km
<使用地図>地理院2.5万網代 日地7万伊豆半島

 磯馴松伐られし果ては初津留田境に残りこの枝拡ぐ
 坂登り比波預の社鎮まりぬ穿つ洞あり茂樫聳へり    13.03.30

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