道草
短歌

  86.01.02 曲岳→黒富士→鬼頬 山行

 曲岳 ヘツリて渡る 山道の 明るき草叢 木枯らしの吹く

 黒富士の 断崖下に 黒平くろべらの 集落はるか 金峰きんぷは高し

 恩賜林の 尾根行きて見し 黒富士の 断崖凄し 谷の向こうに

 伐採で 見ゆ鈍頂の 中津森 わがあくがれの 原生の山

 山下りて 麓で仰ぐ 鬼頬おにがわは 平頂構え 破風山の如

 03.09.30 大平山 江戸城石丁場跡

 寒葵かんあおい点々と在り山路やまみちの外れいにしえ石丁場跡

 大平の頂着きて樹間より伊東の港霞て見ゆる

 06.09.09 汐吹崎・扇山

 手石島磯辺に舟は近付けず白く泡立つ波に囲まれ

 高波はテトラポッドへ波しぶき狭霧となりて国道を越ゆ

 10.11.02 小室山

山波の彼方に富士は頼りなげ頂少し冠雪しおり

 10.11.20 城ケ崎→木宮神社

 波音は激しく迫り断崖に張付きて咲く畦唐菜あり

 来宮の社叢は暗く巨木にて埋め尽くされぬ深閑として

 10.12.04 河津城山→片瀬山

 枝曲り太くくねりて蘇鉄ありお万の方の時よりもなほ

 姥目樫海の斜面に繁りおり潮騒聞こゆ坂下りたり

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